戦時中の弁理士試験を想う
特許庁から「令和4年度弁理士試験受験案内」が公表されました。
詳細は下記URLをどうぞ。
「受験案内」によると、試験日程は、
短答式試験 令和4年 5月22日(日)
論文式試験(必須科目) 令和4年 7月 3日(日)
論文式試験(選択科目) 令和4年 7月24日(日)
口述試験 令和4年10月22日(土)~24(月)のいずれかの日
となっており、最終合格発表は、令和4年11月10日(木)〈予定〉とのことです。
ちなみに、令和3年度弁理士試験の日程は、下記の通りです。
短答式試験 令和3年 7月18日(日)
論文式試験(必須科目) 令和3年 8月29日(日)
論文式試験(選択科目) 令和3年 9月19日(日)
口述試験 令和3年12月18日(土)~20(月)のいずれかの日
10年ほど前、短答、論文(必須科目&選択科目)、口述と受験した自分からすると、新年度は懐かしい日程に戻ったな~という印象です。
コロナ禍が今後どうなるか分かりませんが、弁理士試験も少しずつ以前の状態に戻っていくのが感じられます。
少し古い話になって恐縮ですが、太平洋戦争中の1944年1月28日の官報には、「昭和19年勅令第56号」の公布が記載されています。
「勅令」というと現代では聞き慣れない言葉ですが、明治憲法に規定された天皇が出す命令のことを言います。
この「昭和19年勅令第56号」は、「弁理士試験ノ停止ニ関スル件」とも呼ばれ、
「弁理士試験ハ弁理士法施行令第一条ノ規定ニ拘ラズ当分ノ内之ヲ行ハズ」
という条文の通り、弁理士試験を当分の間、実施しないことを定めています。
勅令で試験を行わないと言っているくらいなので、戦時中はおそらく本当に弁理士試験が実施されていなかったものと考えられます。
この「昭和19年勅令第56号」は、終戦後1年以上たった1946年11月6日に公布された「昭和21年勅令第528号」によって廃止されました。
おそらく、昭和22年度から弁理士試験が再開されたものと考えられます。
資格試験が日程に従って執り行われるというのは世の中が平和な証拠なのかもしれません。
今年、弁理士試験を受験される皆様は、お身体を大事にして試験勉強に取り組まれてください。